イソジンのどスプレーはうがい薬として使えないことが判明
公開日: 最終更新日:新型コロナウィルスの感染拡大防止に、ポビドンヨードの成分を含むうがい薬が良いとかなんとか…大阪の吉村知事が発言されましたね!
打合せ帰りにそんなニュースを聞いて、ドラッグストアに駆け込みました。
8月4日17時前の出来事です。吉村知事の会見は8月4日のお昼でした。
もくじ
ポビドンヨードって何?ヨウ素の仲間?
ポビドンヨードは、ヨウ素の酸化作用を利用した抗微生物成分で、世界中で感染対策に使われている代表的な殺菌消毒剤の有効成分のひとつです。
参考:株式会社明治、イソジン
「ヨウ素」は主に昆布やワカメなどに含まれているミネラルの一種で、東日本大震災の時にも話題になった成分ですね。
筆者は専門ではないので色々な発表で見聞きしている情報しか持ちませんが、昔からある有名な「ヨードチンキ」もこのヨウ素が成分です。
殺菌系の作用があるはずだけど、効果が強すぎるから必要なものにまで影響があるので使用法に注意…だったはず。飲み込むのも良くない。
ヨウ素よりもポビドンヨードが入っているものが優先と考え、以下の優先順位でドラッグストアを探そうと思います。
1.成分にポビドンヨードを含むうがい薬
2.成分にヨウ素を含むうがい薬
(毎日使って良いのか)
3.成分にポビドンヨードまたはヨウ素を含むのどスプレー
(毎日使って良いのか)
まずは売っているのか!?
使えるかどうかはその次だ!と急いでドラッグストアへ!!
ポビドンヨードに期待できることは
大前提として、ポビドンヨードは飲むためのものではないので、体内に入ったウィルスには効果がありません。
なのでコロナウィルスの治療薬にはなりません。
購入目的は口の中、薬があたる喉の一部の殺菌です。
期待している効果はお守り程度かもしれませんが…
新型コロナに感染していて無症状だった場合の家族や身近な人へ(人から)の感染拡大防止です。
帰宅時のうがいはもちろんやっていますが、より効果が上がるのかしら?と(不明)。
ヨウ素は接種しすぎがだめだったはずなので、1日何回もうがいして良いのかは使用上の注意を見て判断予定。
会見では、ポビドンヨードがもしかすると重症化を防ぐような効果が見込めるかもしれない、ということを言っていた気がしますが、まだエビデンスはない模様。
あったら嬉しいですね。
ポビドンヨードが入った製品は? さぁ薬局へ!
調べたところポビドンヨードといえばイソジンみたいです。
第一希望はイソジン! もしくはカバのマークのうがい薬。
お店には!? …売り切れていました。
うがい薬自体はほぼなく、あってもポビドンヨードもヨウ素も配合されていないものでした。
うがい薬の成分表示を無言で見比べていると、自分で探しもせずに、割と多くの人が店員さんに「うがい薬は?」と尋ねる声が聞こえてきます。
うがい薬はあるのに「ない」とどの店員さんも即答しているのはポビドンヨードが入っていないから…?
まぁ、店員さんもうんざりですよね。「昼頃に突如売り切れた」と話していました。
ヨウ素配合のどスプレーは代用となるのか
ヨウ素配合ののどスプレーはありました。
これにする?でもヨウ素って普段使いは大丈夫なのか…?
調べてみたのはのどぬ~るスプレー。
使い方は…
「長期連用しないこと」とあるので、継続的にずっと使ってはいけないですね。やはりダメか。
3店舗回ってどのドラッグストアも同じような状況でした。
店員さんの対応も同じ。
ほしいものがあるときは、まずは自分で確認した方が良いのではと思いました。
しかしながら、うがい薬コーナーで探している人はのどスプレーは手に取らないようで、皆さん「なんとなく」では購入しないんだと感心しました。
イソジンのどスプレーはうがい薬として使えるのか?
4店舗目に!!
なんとイソジンありました!! のどスプレーだけども。
私の後にお店に入ってきた人が店員さんに「イソジンある?」と聞いて「ない」って言われてるけどイソジンはあるよ!!
のどスプレーだけども。
有効成分ポビドンヨードと書いてある!
のどスプレーだけども。
使い方を見ると、こちらも「長期連用しないこと」とあります。
症状がない時に毎日使いはだめですね。
だめか…と思ったところでひらめき!
これ、水に入れてうがいしたらどうなのか!?
4店舗目の薬局は小さなお店で、普段からほとんどお客様を見かけません。
薬剤師さんっぽいおじいちゃんが一人。
さっき一瞬お客様が来たけどすぐ帰って他にはいません。
一人悩むもレジの目の前だし怪しい人みたいな気がしてきた…
思い切って聞こう。
「すみません!これをうがい薬として使うことはできますか??」
おじいちゃんにびっくりされて笑われました(//▽//)
でもわざわざイソジンうがい薬の成分表とメモ用紙とを持ってきてくれて、有効成分を計算してくれるようです。
笑ってたのに優しい!!
1ml中のポビドンヨードが何グラムで必要な濃度が…等々。
そういう計算をするのか…と感心しつつ、
私も学生の時の記憶を引っ張りだしながら一緒に考えてみます。
(その間お客様が一人も来ない不思議)
結論は… 駄目でした!!
単純な説明でいくと、以下の通りです。
(濃度とかの計算するまでもなかった)
イソジンのどフレッシュ 25ml
1ml中 ポビドンヨード4.5mg
(有効ヨウ素として0.45mg)
なので入れ物の中には4.5mg×25で112.5mgのポビドンヨードが入っています。
対してイソジンうがい薬は
1ml中 ポビドンヨード70mg
(有効ヨウ素として7mg)
イソジンうがい薬に
「1回、本剤2~4mlを水約60mlにうすめて、1日数回うがいしてください。」
と書いてあるので、1回につき間をとって3ml使うとして、70mg×3必要。…210mgですね。
のどフレッシュ1本使って、1回のうがいで必要な量の約半分とは…
全く足りていないことがわかります。
直接喉にスプレーするには強いけど、うがい薬として水に溶かすには薄すぎる…
おじいちゃん先生と、
「難しいね、コロナは長期戦なので普段の手洗い・うがいをきちんとしていこう」
と話して、お礼言って帰りました。
もう本当に、相手してくれてありがとうございました。
専用のものが作られているのには理由がある!
と皆様にも共有いたします。
喉スプレーはうがい薬にはなりません。